2007年10月15日
オトナ
どうして オトナは 夜泣くのだろう
心を開放するということに
とても とても 臆病で無知
我がままになるのではなく 敵をつくるのでもなく
後ろを見ないというのも 違う
それは 愛するということでも良いと思う
愛することは 真っ白な心
束縛するのではなく こちらを向かせるのでもなく
共に歩くのも 違う
ただ ただ 見つめるだけで それでいい
どうして オトナは 昼に微笑うのだろう
一人で歩むことに とても 臆病で
子供のように 蹲ることにも 臆病で
確かめる術を 知らずに過ごす
だから オトナは 夜に泣くのだろう
投稿者 さゆりん : 10:32 | コメント (0) | トラックバック (0)
2007年9月26日
イレブン・ストーリーズⅢ葵とハル
何かを考えるときに私は両の手のひらを眺める。
どこかつるっとしていて、指の長さに比べると手のひらの割合が大きい。
父親譲りの「器用貧乏な手」。
手相は薄くて、必要な限りにしか線がなく、それも薄い。
手のひらにふわりとなにか、軽くて輝いていて・・・雪の結晶のようなものが降ってくる様だ。
一瞬の無心の後に包み込むような想いが徐々に一まとまりになっていく。
こういう時間が好きだった。
悩むことも、時には楽しいもので、私は手のひらを眺めて過ごす時間を愛している。
投稿者 さゆりん : 23:08 | コメント (0) | トラックバック (0)
イレブンストーリーズ・Ⅱ葵の場合①
ベランダに一筋の煙を点てる。
小さな寝息を確認したら、私はベランダに出て雲を眺める。
昼間のこの時間の空の向こうには、過去の思いや胸に抱える難題の答えがある。
一筋の煙と共に雲に心を泳がせる。
昔、私は存在を消したかった。
今日の雲の流れた軌道を、明日誰もが忘れているように
私は誰の過去にもならずにうっすらとした記憶の一部に過ぎない、そんな人間になりたかった。
投稿者 さゆりん : 02:37 | コメント (0) | トラックバック (0)
イレブンストーリーズ・Ⅰハルの事
それはそれは青い空で。
先週造ったばかりの、手作りテラスはペンキの斑があちこちにあり
私はそれすら愛おしいと思っていたのに。
ついさっきまでは。
濡れた洗濯物をテラスに運び、肩越しには窓を隔てた小さな世界があって。
私の最愛という生きた宝が弾のようにはねては転がって。
それはこの上なく幸福の象徴だと思っていたのに。
ついさっきまでは。
本当にたった一瞬前までは、私の全てが満たされていると感じていたのだ。
投稿者 さゆりん : 01:59 | コメント (0) | トラックバック (0)
2006年5月 2日
アンドレ・ジッドの妄想
彼女の踝にしゃぶりつきたい衝動。
軽い、春らしいスカートは少し流行おくれな雰囲気で
その黒く重々しい髪に似合っていた。
ひどく困惑した面持ちで、彼女はその細い踝をもじもじとさせ
「Nさん、ですか?」
と、弱々しく尋ねた。
「はい。」
僕のその声は多分、まるで黒板の問題をわかるかと尋ねられ
わかりもしないのにわかると答えてしまったときのように
あまりにも業とらしく聞こえただろう。
彼女は口角だけで微笑んで、
「お手紙をありがとうございます。いつも・・・。」
と、今度は多くの困惑を隠しもしないで言った。
「迷惑なのは承知でした。でも、あまりにも貴方が不憫で。」
そして、儚く美しくて。
こう続けることは、僕には出来なかった。
彼女に手紙を書いたのは、彼女の父であるK氏の葬式から
三日もたたないうちだったと思う。
黒のスーツに身を包んだ彼女。
艶やかな肌が、その黒という色の毒々しさの中に隠れて
透き通るように輝いていた。
友人であり、恩師であるK氏の死を目の前にしてもなお、
その娘である彼女の黒いストッキングの中に隠れた踝に息を呑まずに入られなかった。
僕は手紙を書いた。
最初の手紙は、いかに父であるK氏に世話になったか。
K氏を亡くした事をどれほど苦々しく感じているか。
これから先の彼の家族の行く末をどれほど心配しているか。
最後に、何か役に立てないか?と付け加えるのを忘れなかった。
彼女からの返事はすぐに届いた。
当たり障りないもので、父の死はとても残念で仕方がないけれど
行く末は大丈夫だから心配は要らないということだった。
とても繊細で優しい文字だった。
それからすぐに僕はまた返事を書き、
彼女の手紙に安心したということをまず書き、
自分のことをK氏との思い出を含めて書いた。
それにも彼女は丁寧な返事をくれた。
僕は浮き足立って多くの手紙を書いた。
10行に1行はK氏のことを書いて。
とうとう、彼女から個人的に会いたいという返事が来た。
K氏の葬式から10週目の日曜日だった。
僕は一度見たきりのあの踝に多くの野望を持っていた。
もう、彼女そのものは僕の手中にあるかのような気持ちでいたのだ。
彼女は携帯電話のストラップがかばんからはみ出しているのを気にしながら席に着き
僕の正面に座ると、とうとうその携帯電話をかばんに押し込んだ。
「僕のことを覚えていましたか?」
僕は自信にみなぎる口調で聞いた。
彼女はなおもストラップのことを気にしながら、目線だけ僕に向いて首を振った。
少しの驚きと、黒い絶望感が影を伸ばして近づいていたが
僕はもう、彼女の踝を掴んでいると確信していたので驚きしか思考に入らなかった。
「・・・どうして、会いたいといってくれたのでしょうか?」
彼女はかばんをしっかりと放さずに握り締めて言った。
「こんなオヤジじゃないと思ったからね。」
僕はすぐさま言葉を返すことは出来なかった。
すると、彼女の口角は意地悪く引き上げられてなおも続けた。
「パパのお葬式に来ていて、わたしに手紙をくれるなんて!
絶対にパパの講義を受けていた学生だと思うじゃない!」
最後のほうは、怒りに任せているといった口調で
彼女は立ち上がり
「この、変態!」
小さく呟く様に、しかしまっすぐと僕を見ていった。
僕は教授であるK氏の学生ではなく、学友なのだった。
ひどくうなだれた気分で、彼女のスカートからひらひらと見える踝を見守った。
あの踝は、僕のものだったのに。
僕がデブでハゲの50歳でなければの話だ。
投稿者 さゆりん : 20:46 | コメント (1) | トラックバック (0)
2006年2月16日
イタミ。。。
君の痛みにね
もしも
僕の傷が必要なら
どんなに深い痛みにも
耐えて見せよう
君の痛みにね
もしも
僕の血が必要なら
どんなに紅い液体でも
流して見せよう
君の痛みにね
もしも
僕の愛でも必要としてくれるなら
どんなに深い海にでも
この身を投げて見せよう
だから
君は君を傷つけないで
もしも
僕を信じてくれるなら
きっと
君を愛して見せるから
愛が君を救うなら
風呂いっぱいの紅い液体でこの身を沈め
君のために泣こう
僕の死など
風のように
君の髪を少し揺らして
通り過ぎていくだろう
投稿者 さゆりん : 17:58 | コメント (0) | トラックバック (0)
2005年11月12日
身の回りバトン☆
葉月さんからのバトン☆
やる前から面白そう♪
お題から連想されるものや人を回答するみたいです。。。
お題。。。
1.信号待ち
2.駅前
3.教室
4.パソコン
5.写真
6.おそろいのキーホルダー
7.お守り
8.ランドセル
9.シルバーのネックレス
10.赤ペン
11.助手席
12.ベビーカー
13.体重計
14.時計
15.お風呂
16.灰皿
17.チョコレート
18.カレンダー
19.雑誌
20.ベット
21.マグカップ
22.洋楽
23.寝癖直し
24.制服
25.オルゴール
感想は?
では、いってみます☆
投稿者 さゆりん : 02:34 | コメント (2) | トラックバック (0)
2005年11月10日
Sの背中
Sが居なくなってから。。。
私は毎日Sの家で眠っている。
Sを待っているわけではない。
Sを征服したような気持ちに酔い痴れているような・・・
私の夜は明け方始まる。
店を出て、私のアパートの前を通り過ぎ始発に乗り込むのは変な気分。
その扉を開けると、正面奥に見える朝日に碧く照らされたソファ。
一人掛けのそれはSの背中に見える。
今にもくるりと振り返りそうな。。。
私はそれに深く座り、Sの残り香を探すのを楽しんだ。
もう一週間。
まるで詩人にでもなったように、ステンレスの月をただ見つめる。
今日がいつで終わったのか、そしてもう明日になっているのか。。。
私の今日はいつでも砂のように落ちていった。
Sも・・・
私の今日と同じように、留まることなくするりと抜け落ちて
いつも私の前を歩く。
見つめる女など振り返りもせず。
Sの服をだぼだぼと着て出勤する私に、周囲の目が怪しさを帯びているのを感じる。
その度に私は恍惚に酔うのだ。
私はSの部屋で暮らし、自分のものを持たずSの物を身にまとう。
この椅子で薄い眠りにつき、Sを思う。
眠りの中ですら私はS一色だ。
あの冷たい目が、記憶から妄想に塗り替えられていく。
そうだ、私はSが居なくなるのを待っていたのだ。
と思うくらいに、私の一週間は充実していた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」
今まで鳴ることのなかった電話が鳴った。
背筋が凍る。
S?
まさかね。
もしもSなら、ここには電話をかけない。
「・・・もしもし・・・?」
恐るおそる出てみる。
好奇心だった。
「もしもし!?加奈ちゃん?私!涼子!」
電話の向こうで、りょうちゃんが怒鳴る。
「・・・・。」
「どうしても会いたいの。時間取れない?」
「・・・いつ?」
「早いうちがいいの。」
「今日?店に出る前なら・・・。」
「何時?加奈ちゃんに合わせるから、時間と場所。」
「じゃあ、4時にこの下の喫茶店で。」
「わかった。」
そして何も言わずに切った。
りょうちゃんが何故私に会いたいのか。
私にはわかっている気がした。
りょうちゃんはSの居場所をつかんだ?
「まさかね。」
声に出して、窓を開ける。
冷たい風が身体を通り過ぎ、そして消えた。
下を見下ろすと、駐車場で黒い何かが車にひかれて死んでいた。
猫。
小さいその死体を見下ろし、
「まさかね。」
と、もう一度つぶやいた。
投稿者 さゆりん : 01:11 | コメント (3) | トラックバック (0)
2005年10月28日
Sの彼女
小瓶を見つめていた。
奈津美からあの日に手渡された、Sの忘れ物。
この小瓶に「S」の愛がつまっている・・・?
投稿者 さゆりん : 14:30 | コメント (5) | トラックバック (0)
2005年10月24日
Sの涙
気がつけば霧雨。
こんな日はSのことを思い出す。
改札の階段を、滝のように流れ下りてくる人混み。
まるで滝のように、決まった服装の塊が
ドバッと流れてはまばらになり、少しの間を置きまた塊になる。
投稿者 さゆりん : 21:26 | コメント (7) | トラックバック (0)
2005年10月14日
私の理由 番外編~Sの愛
少女はまだ、少女のままの恋をしていた。
彼はまだ少女のままでいる彼女を、少女のままに愛していた。
投稿者 さゆりん : 23:21 | コメント (8) | トラックバック (0)
2005年10月11日
Sの影
水曜の夕暮れ時。
小さな駅の前で、奈津美という女の子を待っていた。
会った事も無い彼女をただ、目でウロウロと探していた。
投稿者 さゆりん : 23:13 | コメント (5) | トラックバック (0)
2005年10月 2日
Sの足音
「涼子、まだここに居る?俺、搭乗券とって荷物預けてくるけど。」
正人は、優しい笑顔でテキパキと荷物を手に取った。
「うん。お願いする。」
私は自然と微笑み、甘えた仕草で正人の顔を見た。
正人は口元で笑って、荷物を両手に立ち去った。
Sを待っていた。
深夜に近い夜の空港。
投稿者 さゆりん : 00:52 | コメント (7) | トラックバック (0)
2005年9月25日
Sの残り香
Sはもちろん居なかった。
投稿者 さゆりん : 02:26 | コメント (7) | トラックバック (0)
2005年9月19日
Sの扉
昨夜の電話。
本当だろうか・・・?
Sの失踪。
投稿者 さゆりん : 03:54 | コメント (4) | トラックバック (0)












